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動物介在活動とは
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動物介在療法(AAT=Animal Assisted Therapy)と動物介在活動(AAA=Animal Assisted Activity)の違いについて。多くの人はアニマル・セラピーといわれれば、老人ホームや長期入院の病棟へ動物を連れて行き、お年よりや長期の入院患者と触れ合うような活動を思い浮かべると思いますが、これは動物介在療法と呼べるものではなく、動物介在活動というものになります。AAAもAATも動物を介在するものという点では同じですが、AAAは教育やレクリエーションとしての要素が強いもので、医学的な治療の補助療法として使われるAATとは異なります。AAAやAATに参加する動物は犬や猫、豚、牛、鶏、モルモット、小鳥、馬、イルカなど様々で、活動目的によって適した動物が参加することになります。
※ 注:日本では犬や他の動物と共に高齢者施設や医療機関を訪問するすべての活動をアニマルセラピーという言葉で表現しているのが現状かと思います。アメリカのデルタ協会(http://www.deltasociety.org/)など欧米諸国の協会・学会では、アニマルセラピーという語は「動物の治療」そのものを意味する場合があり、誤解を招きやすいことから「介在」<Assisted
>という語を使用すること、さらに、専門の医療関係者が動物を用いて最終目標を持って行う治療行為を「動物介在療法」<Animal Assisted
Therapy(AAT)>、動物とともに施設や病院を訪問し癒しやふれあいを提供したりする活動を「動物介在活動」<AnimalAssisted
Activity(AAA)>と分類して用いることを薦めています。この分類でいいますと、私たちの訪問活動は、動物介在活動(AAA)に入ります。
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AAA,AATの効果と問題点
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動物が人に与える効果として次の3つが考えられます。
●社会的効果。動物がいることにより話題が生まれ、会話の促進をする「社会的潤滑油効果」がある。また、動物の世話をすることにより、社会生活に適応するための練習になる等の効果が挙げらる。さらに、障害者が、介助動物と共に暮らすことで、身体的、経済的独立を促進することにもつながる。
●精神的効果。動物はストレスや孤独感を癒すという、ストレスの緩衝作用がある。また、子供にとっては動物と触れ合うことによる道徳的教育の効果も大切である。
●生理的・身体機能的効果。人が動物に対しての働きかけをしようとする意欲から、日常の運動や動作が多くなったり、動物に対する話し掛けにより発語が増えたりといった効果がある。
そして、この意欲がリハビリテーションを行う際の動機付けにもなると考えられる。また、リラックスや血圧、コレステロール値の 低下といった作用も認められている。このように、人は動物達と触れ合ったり、治療に活かしたりすることにより、多大な効果を得ることが出来きます。しかし、AAAやAATは動物が介在するからこその
問題点が存在することもまた知っておかなければなりません。まず、動物と触れ合うことにより患者の身体疾患や精神疾患を悪化させる危険がある場合や動物が嫌いだったり、恐怖感を持っていたりする場合、動物に危害を加える可能性のあるような患者の場合は、AAAやAATは有用な治療とは言えません。AATを適した治療法と
して必要とする患者の選択が重要になります。また、患者の状態を考慮し、その患者の治療に適した動物の選択も重要です。そして、人間のために動物に協力してもらっていることを謙虚に受けとめ、動物の権利を尊重し、活動に関係する全ての人が動物に対して愛情を持って接することが何より大切です。
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様々な動物による動物介在活動、動物介在療法
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アニマル・セラピーの一つにイルカ・セラピー、イルカ・ヒーリングと呼ばれるものがある。これは、イルカと泳ぐことにより自閉症やうつ病に効果があるというもので、アメリカで盛んに行なわれている。また、欧米で最も一般的なものが馬が参加する乗馬療法(ホース・セラピー)である。この乗馬療法の歴史は古く、1875年にパリで乗馬が麻痺を伴う神経障害に極めて有効な治療であると発見されて以来、現在では一つの完璧な治療システムとなっている。また、米国にはヤギ、ブタ、ヒツジなどの家畜動物と共に生活することにより、心の傷を癒す全寮制の寄宿農学校もある。
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人に与える影響について
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AAAやAATが普及しつづけている要因の一つには、近年、人と動物との相互関係が人間の精神及び肉体に及ぼす影響などが、動物行動学、獣医学、医学、リハビリテーション医学、心理学など、様々な立場から調査・研究され、報告されてきたことがあげられる。
●精神的作用
独身女性を対象にした実験で、(1)全くの一人暮し(2)ペットと一緒に住む(3)他人と住む(4)他人とペットと住む??の4グループに分け、それぞれの孤独感について調べた。その結果、(1)が一番孤独感は強かったけれど、他の3グループには大きな差は見られなかった。そこでわかったことは、ペットを飼うだけで、人間と一緒に暮らしている事と同じような効果があるということである。
●生理的・身体機能的作用
研究者と被験者が会うとき、(1)参加者だけ(2)参加者にペットがついてきた場合(3)参加者に友人がついてきた場合??などに分け、それぞれ被験者が心配するような課題を与え、心拍数、脈拍、血圧などで心配の程度を測る実験で、ペットと一緒にいるときが一番心配の程度が低かった。
●社会性的作用
ペンシルバニアの学校で子供を(1)動物を一切入れないで、ロッククライミングなどの活動をさせるグループ、(2)鳥やヤギなど動物を関わらせて活動させるグループの二つに分け、この二つを観察するという試みがなされた。観察の結果、(2)のグループの方が、攻撃的でなくなり、学校の成績が良くなったという結果が得られた。
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日本におけるAAT これからの課題と可能性
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欧米における動物介在療法は20世紀に入ってから神経障害を患う人に対する治療法として確立して以来、現在ではすでに一般的な治療として普及している。また、米国ではデルタ協会がきちっとしたマニュアルのもとでプログラムを作成しており、正しいAAAやAATの普及を図っている。しかし、日本における動物介在療法は、まだ、その認識も普及も大変遅れており、AATを治療に導入しているところはほとんど無いないのが現状のようである。JAHA(日本動物病院福祉協会)のCAPP活動や色々な団体のふれあい活動があるが、これらはAAAに属する。普及が進んでいない理由には、土地の問題と、医師の賛同者が大変少ないといったこと等があげられる。しかし一番の理由は、日本人の動物に対する意識が低く、慣れていないことである。動物を飼うときのマナーやしつけの徹底や、人畜共通感染症の正しい知識が足りないのである。動物を飼っている人、一人一人が、最低限のマナーを守ることを
当然のことと理解し、介助動物だけでなく、コンパニオンアニマルも色々なところに入って行けるような社会作りができてこそ、本当にAAAやAATが日本にも正しく受けいれられるのではないだろうか。そうして、AAAやAATが普及し発展することによって見えてくる様々な可能性がある。まず、動物の保護・保存としての働きが期待できる。また、米国の「グリーン・チムニーズ」の例があるように、畜産と福祉活動を結びつけ、これを畜産の新たな側面として、一層のイメージの向上、発展にもつながることも期待せずにはいられない。他にも様々な可能性が期待できるが、これらの可能性を現実のものにするにはまだまだ、解決すべき問題は山積みである。AAAやAATが動物にとっても人間にとっても、より良いものとして普及・発展するために個人個人の動物や福祉に対する理解と努力を進めていかなければならない。
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米国デルタ協会の適性検査基準(参考)
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A.総合審査:動物の全身、特に腹部、脇腹、頭部、口の周辺、足先まど敏感な部分に触れられたときの動物の反応
B.過剰な愛撫、ぎこちない愛撫:手足など身体に不自由を持つ人が、不安定な姿勢で動物を撫でるという状況の疑似設定での反応
C.拘束的な抱擁:動物が強く抱きしめられることを受け入れられるかどうかの反応
D.ぎこちない動きの人に出会う:不安定な歩様、歩行器や杖を使っての歩行、奇声を発しながらの接近などに対する反応
E.怒鳴り声:近くで人が大声で怒鳴り合っている設定での反応
F.後ろからの衝突:不意に後部から人がぶつかってきた場合の反応
G.複数の人による愛撫:複数の人に同時に撫でられたときの反応
H.見知らぬ人に預けられる:ハンドラーがリードを見知らぬ人(エバリュエーター)に預け、動物の前から2分間姿を隠したときの反応
I.社交性:動物が人間に興味を持ち、交流を楽しんでいるかどうかを審査する。
J.総合的な反応:ハンドラーと動物のチームワークを審査する。
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